はじめに④第一志望と併願校の決め方考察

(2019年12月28日 一部更新 青記載)

今回、受験修了された方から質問いただきました。その中に「親として第一志望の結果が出せず反省しています」と書いてありました。ですので1.第一志望 2.併願校の決め方について考察を書いてみました。

1. 第一志望 

(1)第一志望へ合格者できる人数は少ない

まず、小学校受験で第一志望に合格できるのは本当にわずかな人数です。

例えば、第一志望として人気がある学校:
雙葉小学校の募集人数は40人、中学は100人です。
白百合学園小学校の募集人数は60人、中学は60人ですが、2月2日校ですので、2月1日の学校と併願ができます。
共学の学習院初等科の募集人数は女子約40人、学習院女子中等科130人 一般A一般Bの2日試験日があり2回受験することも可能です。

しかしながら、小学校受験は通常試験は一回のみ、中学受験と比較しても募集人数も少ないのです。

(2)併願校への進学がとても多い

ヒアリングでもいわゆる第一志望に合格したと言えるのはわずかな人数です。それだけに、併願校がとても大事になってきます。例えば一日校の第一志望にご縁なくても、ヒアリングでは別の一日校、3日の女子校、4日の女子校、別日程の共学、神奈川校などに通われています。その他、私立であまり良い結果が得られず、結局全く考えていなかった国立に進学した方などいろいろです。

(3)第一志望とは?

小学校受験でこどもは5~6歳です。結局あたりまえですが殆どの場合第一志望は親が決めた所です。

自分が出身者や現在お子さんが在学中の方を家族ぐるみでおつきあいしているのであれば、学校の良い所改善するべき所も含めてわかるかもしれません。

それ以外の方は、限られた回数のそれも外部向けの学校説明会・入試説明会(学校からの一方的な内容で学校の都合の良いことしか言いません。)、授業見学(人が多く通常とは違う雰囲気)と少ない情報で決めるのです。
ですので、時々なぜこのご家族がこの学校を第一志望にしているかのかよく分からない時もあります。(ご家庭の判断ですので何ともいえませんが。)

今回、雙葉小第一志望の方への返答として:
お嬢さんが「私は是非雙葉小にいきたい」と言ってましたか?お嬢さんはなにかの機会に雙葉にいきましたか?フリーの場合は、関係者以外、運動会も、中高の学園祭も入れません。お嬢さんの立場から考えれば、突然11月1日につれてこられた初めての場所で知らない先生と知らない子だらけで、試験を受けてくださいという現状です。当日無事に試験を受ることができただけでも素晴らしいお嬢さんです。」  

今後受験の方に、どうか11月1日、健康で無事に試験を受ける事ができ、試験が終わりましたら、これまで親が勝手に決めた受験にたった5〜6歳でがんばってついてきてくれたお子さんを笑顔で迎えてあげてください。

受験終了者として思うのが、無事受験できただけでも「100点満点」だと思います。 そして、相談者にいつも書いていますが、もし、希望する結果がでなかった時、それは100%親の責任です。

(4)フリーの第一志望は変わりやすい

ご出身であれば、第一志望はゆらぐことなく○○小学校となりますが、フリーの場合、どこでも受ける事ができるとなると年長の子どもの成長や親の考え方で変わることがあるからです。

例えば、見学の時、自分の子どもが年中と年長では学校の印象が変わる可能性があります。年中であれば、このようなしっかりした環境で勉強についていけるのか、年長であれば、逆に今まで良い印象の学校が幼くみえることもあります。この距離通学できるか、もよく聞きますが、小1は大変かもしれませんが、子どもも成長しますのであまり不安にならなくても時間の経過で問題が無くなることもあります。ですので、現在の状況ではなく6年間というスパン、未来を想像して、受験する学校を選んでいただければと思います。

2.併願校の決め方

(1)併願校を複数準備

中学受験ではなく、2回も同じ学校を受験できません。どれほど準備しても第一志望にはいけない事が多いのが小学校受験です。 
そのため、併願校(合格したら通いたい学校)選びは大事だと考えています。
はじめに②堅実なお受験 志望校の決め方 正規合格を1校にも書きましたが、
②.準備次第で合格いただけそうな学校 を数校
③.このままの学習でも合格がいただけそうな学校 を1-2校
を選び、日程が重なる事がなく上手に分散できると安心だと思います。

併願校を決める時に、親が外部の方対象の学校説明会など限られた回数と時間しか見ていないのに、印象だけでここは受験しないと決めて併願校からはずしてしまっている方が多くがとても残念です。(在学中の親からの話を聞いても良い学校なのに。)親の仕事として、在校生の親を探すこともしてください。外部向け学校説明会だけでは分からない事、実際の学校生活についても教えて頂けると思います。もし、公立回避で私立に入学を希望しているのであれば、日程的に併願可能な学校であれば、是非願書提出をしておく方が良いと思います。

(2)「③.このままの学習でも合格がいただけそうな学校」は選びは慎重に

特に、3.このままの学習でも合格がいただけそうな学校 を選択する時に、あまりにも倍率が低い学校や独自な教育理念の学校(併願校ではなく、第一志望として入る方が多い所)だと、その後、親が悩む事も見ています。悩むほどであれば、ご両親が納得出来る学校をこのままの学習でも合格がいただけそうな学校として、そのレベルまでは準備を整える事が必要かと思います。
併願校はあくまでも合格したら通いたい学校です。親の考え次第ですが、練習校と割り切って受験して、そこからしか正規合格をいただけない場合親が大変悩みます。そのため、是非合格したら通いたい学校を複数考えください。

<大事>第一志望も併願校も、できるだけ、親の仕事として在学中の親や卒業生をご自身のネットワークで探して直接話を聞いてください。

3.両親の間で第一志望が違う場合

ヒアリングで、父親と母親の第一志望が違う場合がありました。

例えば、女子校第一志望のご家族で、父親は堅めの女子校がお好みの方が実は多いです。逆に母親は女性ですので、女性だけの環境は想像がつきます。お子さんの性格を考えるとこちらに入学したら大変そうなのがわかるので別の女子校希望。 親の間で優先順位が違う場合もあります。

このような場合、あたりまえですが、試験日程的に両方受験できるのであれば、両方受験して、合格いただけてから悩めばいいと思います。受験しなければ合格はいただけません。

日程的に無理であれば、是非塾の先生等(第三者の客観的な)意見も聞いてみてください。ご家庭、お子さんの性格、そして6年間(もしくは12年間)通うにはどちらがより合っているでしょうか。 他の方の意見も聞いてみてから、再度考えてみてください。

4.完璧な学校はありません

相談を受けていると、どうにもご両親が学校について「こうであってほしい」という理想を高く持ちすぎている方が多いと思います。個別相談・勉強会でもお伝えしていますが

「完璧な学校はありません」

「附属中高があっても、途中で別の学校に受験・転校する方もいます」

どれほど有名大学附属校でも、有名女子校でもやはり改善してほしいと思う事があるのが普通です。 逆に、とても良い中堅校でも「ここには進学したくない」という方もいます。親がいやでも、お子さんにはあっているのになと思う事もあります。
また、学校が合わなくて転校、中学受験もききますが、例えば自らの希望で学校を変える方(特に、やりたいスポーツなどがある場合)もいます。小学5−6年、中学2年頃に自分の意志で希望する学校を受験する方もいます。

そのため、ご両親に今小学校進学を決めたらそれが最後ではなく、その先はお子さんが決める事もあるのです。どれほど準備して進学しても、途中で転校もしくは中学・高校で他校に行く方もいます。子どもの将来を今全部決めると思わず今は小学校の6年間子どもが楽しい学校生活を過ごすことが出来る事を目標としてください。といつもお伝えしています。

ヒアリングさせて頂いた結果やこれまでご相談頂いた中から考察を書いてみました。 志望校は親が決めるべきことですが、相談先として各塾がもっと時間をかけていただければと思いました。

今後受験の方にとって少しでも参考になれば幸いです。

はじめに⑤第一志望と併願校の決め方考察2 公開行事と学校の3要素
に続きます。

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