塾⑪ペーパー学習のために塾にいく必要があるのか?

今年5月からメールで相談を受けている方から再度ご相談をいただきました。
H様に何度説明してもペーパーを塾で受講することに納得いただけません。
H様から質問は「家庭だけではなく塾でのペーパーが必須な理由をお教え頂きたいです。第三者の発問に慣れる、さまざまな言い回しへの対応、色、形、訂正の指示等はわかりますが、それ以外にも理由はございますか?」

あります、家庭学習のみではアウトプットの場がないからです。

図1 ペーパー学習の流れ インプット・アウトプット

1.塾と家庭学習のみでペーパーを準備する際の違い

(1)塾の方:毎週ペーパークラス受講の場合

①授業
授業内容は塾により違いがあります。 あまり説明もなくペーパーを淡々とやるところ、具体物でまず説明をして子どもにも具体物をわたして体験する所、又はその両方具体物説明後に問題をみて説明、解き方に特化して教える等あります。 
②演習
その場で習った分野のペーパーをまず解くことです。初見の内容では制限時間は長めに、アシスタントがついてつまずいているお子さんには横で説明するなど塾により違います
③弱点発見
全員で答え合わせをして子どもが間違った問題を見つける
ーーー塾ではここまでで時間終了ーー
その後家庭学習
③で見つけた弱点を家庭でやりなおし
④類似問題演習 塾の宿題、家庭で購入した類似問題を解く、余裕があれば早く解く練習
の①〜④が毎週繰り返しになります。 「家庭学習のみ」と変わらないのでは?と思われるかもしれません。

■違いは2つあり
違い1:既にインプットが終わっているか、理解が早いお子さんの場合、②の演習の場面ですでに⑤実践練習が毎週できるのです。
塾の限られた時間の中でガンガン解いていくことができます。
そして、夏前頃には塾は完全に⑥に変わっていきます。①はなくなり、⑥実践練習の場のみとなり、ほぼ試験当日の様に時間制限も短くなり、今までのインプット出す所、アウトプットの場になります。

違い2:集団のペーパークラスは他のお子さんよりも早く解く気持ちをもつ、せめて同じスピードでやる、先生の指示の内容を正しく理解する、初見の問題への対応処理力、分からない問題でも粘り強く取り組む姿勢を集団の中でトレーニングしている場だと思ってください。

(2)家庭学習のみの方

家庭学習の利点はじっくり子どものペースで出来る事ですが、
ご家庭でできるのは①〜④のみになります。
⑤集団の中の実践練習 ⑥夏以降の塾・模試という大事なアウトプットの場がないのです。

では家庭学習の方が⑥模試で実践演習は十分とれるのか? 私は足りないと思います。
年長のペーパークラスは約90分から長いと2時間の所もあります。
その時間、先生の指示で集団で同じ問題をみんなで解くこと、それもカンニング、そわそわ、きょろきょろせずやるという行動観察も含めて練習する場だと私は思っています。
また、ご家庭では時間制限、学校の難易度、などは情報が無い中分からないと感じています。(例えば年中でも時間制限さえなければ問題を解くことはできるが、時間制限があれば難易度は変わるため。)
そのため、初心者の御両親にはまず、家庭だけでペーパーは無理だとお伝えしています。

2.アウトプットの場

⑥夏以降の塾 模試
は経験者の方であれば、ご理解頂けると思うのですが、
年長のペーパークラスは家庭で勉強してきた(インプット)を披露する、アウトプットの場です。
時間、内容もほぼ模試と同じように進めていきます。 
模試はもちろんアウトプットの場です、そこで間違ったことを家庭で①に戻りフォローすることが必要なのです。本試験は一回のみ、その模擬練習を塾のペーパークラス、夏以降のクラスで何度も何度も訓練していると思って頂けると分かりやすいでしょうか。

このように相談を受けているとご家庭によりペーパーに対しての対応の違いがあって驚くことが多いのです。

3.実例

例:最難関女子校を受験する方場合だと
某有名ペーパー塾に年中から通い、家庭学習もかなりの量をすすめて、どんどん先に進めて行かれます。 年中夏前にほぼ完璧近くに仕上げてきます。
それ以降は簡単な問題は間違えず、レベルを落とさずキープすることに努めています。
例:ペーパーが苦手なお子さんの場合
塾でペーパーを受講しつつも、家庭学習をしても1日5枚もすすまない。
又は今回のご相談者のように「家庭学習でやる」と決めてしまう。
塾に行かれている方は 塾+家庭学習の2つの車輪でどんどん先にいく印象です。

4.早生まれ・ペーパー不得意の方

では、何事も塾にたよりガンガンすすめていけばいいのかというと、その方法が合わないお子さんも多いと経験(多数塾で見てきて)思います。全員がその方法は適していません。とくに早生まれの方、通常のペーパークラスについていくことさえ難しいかもしれません、その場合、ペーパークラスを受講しなくても準備は間に合うののでしょうか。(学校によりまにあうかもしれませんが、ある程度のペーパー校を受講ならば無理でしょう。)それならば、まだ難易度を下げた(又はそのお子さんに適した)クラスはありませんか?
・ ペーパー基礎クラス
・某大手で具体物を使う塾
・個人塾でもペーパーの教え方に定評がある塾等です。
・時間がなければ教え方の上手な家庭教師

お受験のペーパー難易度はあくまでも5-6歳が受験する内容ですので、
難しさにも限度があります。それを難易度10として、例えばよくできる方お子さんであれば、年長6月頃でも既にほぼ難易度9まで仕上がっていて後は、それをキープする事を努めれば良い方もいれば、
どうにもペーパー学習が嫌いで現在難易度2ぐらいまでしか仕上がっていない方、それでも試験前10月までに難易度8位まで出来るようにがんばれば良いのです。
難易度は10以上にはなりません、追いつけばよいのだと私は理解しています。

5.家庭学習のみで出来る方

家庭のみでインプットもアウトプットもできるのは(過去に聞いた事がある方のケースで)
・2回目の受験で試験難易度や内容が分かっている御両親
・教職の方で幼児を教えるのが上手で実践練習まで親が対応出来る
・ペーパー難易度が低い学校を受験する場合
例えば、国立筑波の場合はABCグループで明らかに難易度が違います、Aは応用問題で、やはり制限時間が短いためにトレーニングが必要です。その反対にCグループの問題は年中でやる基礎問題です。また私学でも基礎的な問題のみの試験内容でかつ倍率が抑えめの学校であれば、ペーパーだけならご家庭のみで準備できるかもしれません。
ただし、上記2回目や教職の方でも遅い準備開始、または、多少はペーパークラスに入られていました。いわゆる難関校合格でペーパークラスなしは残念ながら私は聞いたことがありません。やはり幼児に教えてアウトプットまで対応するのはよほどスキルがある御両親でなければ難しいのではと思います。

6.途中でペーパークラスを退室

それでも年長途中でペーパークラスを辞める方もいます
・既に応用までインプットもアウトプットも十分準備出来ている方
・個別試験の学校が志望校で難関ペーパー校のように「時間内におわらせる」を徹底しなくてもよいと判断した方
はペーパーを途中でやめても合格されていました。

さて、 今回のご相談者には塾に行くようにすすめています、それはH様が①お受験の経験がない②ペーパー難関校が志望校に入っているからです。
5でも書いていますが、国立の学芸大学附属など基礎的なペーパーのみの学校であれば、毎週のペーパークラスでなくても、どちらかで定期的にアウトプット練習の場を持てば十分かもしれません。

ペーパークラスは授業にすわっていることも行動観察の一つで集団で練習する場だと私は思っています、それでもやはりペーパークラスの受講はしたくない場合、是非アウトプットの場をどのような方法でも良いので追加することを是非ご検討ください。

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